D51形機関車、C62形機関車等の国鉄の蒸気機関車の形式称号は形式名、形式番号、車両番号からなっており、規則に従って決められている。
貨車の白い手すり
黒や鳶色の貨車、有蓋、無蓋の貨車が不規則に並ぶ貨物列車。
その編成は年を追う毎に短くなり、私の住む地方ではめっきりと見かけなくなった。
見かけるのは、コキやタキなど同一形式で組成された列車ばかり。
ホキで組成された青梅線の石灰輸送列車も今では見られない。
カラフルな塗装のイベント列車や特急列車、ステンレスに輝く通勤電車が台頭する今、車長の短い薄汚れた感じの貨車達はもう戻っては来ないのか。
黒一色の貨車でも、ワフやヨの緩急車のようなデッキ付きの車両は手摺りが白くペイントされアクセントとなっているものがある。
私が製作中のワフの模型の手摺りも白色の化粧をほどこした。
白いペイント類は手ブレーキのある目印
しかし、この白色にペイントされた手摺りは、実車ではアクセントのために塗られているのではない。
デッキの無い貨車は白色の手摺りの替わりに、妻板面の左右どちらか、あるいは左右両方の下部に15cm×10cm程度の縦長で白色のプレートが2枚貼り付けられている。
どの貨車にも手動で操作できるブレーキが備え付けられており、この白色のペイントやプレートこそがブレーキのある側面を示しているのである。
駅構内において突放による貨車の入れ換えを行う時、構内係はこれを見て向かってくる貨車のどちら側に移動すればよいか判断し、ブレーキ操作を行うのである。
一般には、人が操作するブレーキは「手ブレーキ」と呼んでいるが、図面などによるとワフ、コキなどについている丸いハンドルを手で回すことによって操作するブレーキは「手ブレーキ」、ワム、トキなど貨車の側面にあり、足で操作するブレーキは「側ブレーキ」と分類されている。
デッキ付きの車両には手ブレーキの存在を示すため、手ブレーキのあるデッキ側の手摺りが白色にペイントされている。
デッキのない車両は妻板下部に白いプレートで側ブレーキのある側面を示す。
この車両はハワム80000形式で両側面に側ブレーキがあるため、プレートは両側にある。
ちなみに、ハワムはパレット積載可能な貨車で一般にはパワムと呼んでいる。