貨車を連結する時は機関車が仕訳線まで入り込んで行くが、仕訳線に貨車を仕訳する時には機関車が仕訳線まで入り込んで貨車を置いて来るようなことはしない。突放するのである。
貨車の形式名と標記荷重・ムラサキ
工場から搬出されたばかりの新車長大編成のワム80000。
貨車の形式を表す呼称は次のように記号・数字で表す。
形式を表す記号 | 形式数字 | 車両の | |
構造・用途 | 標記荷重 | 識別数字 | 固有番号 |
記号の意味
- 構造・用途
区分 車名 記号 有蓋車 有蓋車 ワ 鉄側有蓋車 ス 鉄製有蓋車 レ 冷蔵車 テ 通風車 ツ 家畜車 カ 豚積車 ウ 活魚車 ナ 陶器車 ポ タンク車 タンク車 タ 水運車 ミ 無蓋車 無蓋車 ト 長物車 テ 大物車 シ 車運車 ク コンテナ車 コ ホッパ ホッパ車 ホ 石炭車 セ 事業用 救援車 エ 雪掻車 キ 検重車 ケ 工作車 サ 操重車 ソ 控車 ヒ 歯車車 ピ 職用車・試験車 ヤ 車掌車 ヨ 緩急車 緩急装置を持つ車 フ 有蓋車とは屋根のある貨車、無蓋車は屋根のない貨車。ワ、ス、レ、テ、ツ、カ、ウ、ナ・・
- 標記荷重
区分 記号 13トン以下 (なし) 14~16トン ム 17~19トン ラ 20~24トン サ 25トン以上 キ ム、ラ、サ、キの順に積載荷重が大きくなる。
(貨車はムラサキの順に大型であるといえる。)
- 符号 記号の前または後に符号が付けられる場合もある。この符号は小さく標記されている。
記号 対象 ア タンク体がアルミニウム製のタンク車 オ 自重が軽いため2t増積みできるワム 標記荷重36tのトキ 最大長さ16mをこえるタンク車 最大長さ1mをこえるホッパ車 キ 「急行」の標記をした2軸有がい車 コ 石炭15t分の容積で荷重17tのトラ 最大長さ12m以下のタサ、タキ ス 石炭15t分の容積で荷重18tのトラ テ 天井に氷タンクのある冷蔵車 ナ 氷タンクのない冷蔵車 ハ 延長換算両数1.2、パレット搭載可能なワム ロ 最高速度が65km/h以下の貨車 ワ 有がい車代用ができる無がい車 有がい車兼用の通風車及び家畜車
例
ワム:標記荷重14~16トン(ム)の有蓋車(ワ)
ハワム:パレット搭載可能(ハ)で標記荷重14~16トン(ム)の有蓋車(ワ)
コキ:標記荷重25トン以上(キ)のコンテナ車(コ)
これはワム80000形式。
1形式での車両数が多く車両番号は複雑になっている。
「積2.2」「空1.0」の記載は換算両数。
機関車がどれだけの重量の貨車をけん引するのかを計算するために用いる値で、重量10tを1両として計算するためのもの。
この場合、貨物を積んでいるときは2.2×10tとして計算し、空車の時は1.0×10tとして計算する。
白地の紙は行き先、積み荷、荷受人などを記載した貨車車票。
いろいろな貨車
控車「ヒ628」(岡山鉄道管理局)
ワムを利用した配給車(広島鉄道管理局)
有蓋車(ワム)と列車掛が乗務し、緩急装置がある場所(フ)が一体で作られたワムフ209。
近代的な車掌車ヨ8000形式。