年末からネガフィルムをスキャン中。やはり、経年による退色のせいか、スキャナで退色復元にチェックを入れてスキャンしないとかなり黄ばんでいる。ただ、同じ年代なのに退色復元のチェックをしないでも綺麗にスキャンできるものもある。
アクリル曲げ用ヒーターの自作
アクリル板、塩ビ板を曲げてプライスカードのようなプラモデルの名板を作る作業中。
曲げ用のヒーターを作ってみた。
アクリル板を曲げるためのヒーターはホームセンターでよく見かけていたが、定価は7,000円、実売価格5,500円くらい。
・・ちょっとというか、かなり高い。
ネットで調べるとやはり自作している人も結構多い。
単純な機能の割りにちょっと高すぎると感じている人が多そうだ。
アタイもそう思う一人。
ならば、自作じゃ。
材料
ホームセンターで見かけた製品、ネット上の記事などを参考に、材料集めから。
ステンパイプ
内部にヒーターを入れるパイプ。
このパイプ上に曲げたいアクリル板などの素材を置いて熱を与えるためのもの。
手元にφ10のステン巻きのパイプがあったが、ネット上の先人の方々の作例をみるとφ13のパイプを使っている例が多かった。
ホームセンターでみかけた製品もφ13。
実際にアクリルを曲げるときはこのパイプにアクリルを巻きつけて覆いかぶせるようにして曲げるのではなく、温めた反対側に曲げるようなので、パイプの径が小さければ小さなRに曲げられるというものではない。
どちらかといえば径が大きめのものが蓄熱性がよくて好都合なのかもしれない。
・・でφ13のパイプを買うことにした。
長さは・・
市販のヒーターを見るとベースの木の台が600mm。
その上にブラケットがありステンパイプが取り付けられている。
ということで、左右のブラケットの間がアクリル板を温められる場所となり、有効長は550mmくらい。
一方ホームセンターに並んでいるアクリル板のサイズは300mm、450mm、600mm・・などとなっており市販のヒーターでは600mmのアクリル板は曲げられないということになる。
自作のよい所・・自分にニーズに合わせて融通が利くところ・・
ヒーターの有効長(ブラケット間隔)を650mmとした。
・・ただし、実際に600mmのアクリルを曲げる機会があるかどうかは不明。
また、ちゃんと600mm均等に温められて綺麗に曲がるかどうかも不明。
耐熱ガラスチューブ
ステンパイプの中にはヒーターを耐熱ガラスチューブの中に入れて通すことになる。
いろんな径の耐熱ガラスチューブが売られている。
今回作るものが、熱量不足でφ13のパイプが温まらないと困る。その時はφ10のパイプにも通せるようにと、φ6の耐熱ガラスチューブにした。
φ13のパイプの中にφ6の耐熱ガラスチューブだと隙間が開きすぎてよくないかもしれないが!?
ヒーターの外側に隙間があって耐熱ガラスチューブがある方がいいのか、ヒーターになるべく密着するように耐熱ガラスチューブがあって、その外側に隙間がある方がよいのか・・
まぁ、深く考えないほうが夜もゆっくり寝られて幸せかも知れない。
ヒーター:ニクロム線
ヒーターについてはHPに自作記がある先人によると、直流を流している人、交流を流している人などさまざま。
ニクロム線を自分で巻いてヒーターにしている人、電熱機の補修用のヒーターを使っている人など、こちらもさまざま。
抵抗値など測って計算式から長さを決めている几帳面な人もいるし、そうでない人も。
ただ、自作記などでは40W~50Wくらい、ステンパイプの温度が160~180℃くらいになれば良いらしい・・のかな?
いずれにしても今回買った耐熱ガラスチューブの耐熱温度は180℃なので、むやみに熱くしちゃだめだろう。
また、電源を考えると手持ちのDCアダプターには大きな電流がとれるものがなかったので、交流100Vが妥当みたい。
ということで、電熱器の補修用らしいニクロム線を購入した。
100V用100W。
計算が必要な事態になっても分かりやすい。
台座となるもの
熱くなるステンパイプを保持するための台座となるものが必要。
今回は手元にあった木材を使った。
また、その台座の上にステンパイプを取り付けるブラケットも用意。
ホームセンターでパイプと同じような場所で売られてもので、パイプを壁面などに固定するためのもの。
・・ステンパイプはともかく、ブラケットの耐熱温度も気になる。
ブラケット同士をぶつけるとカチャカチャ言ってるけど、材質はなんだろう?
この材質、耐熱温度に言及しているサイトはなかった。
ということでアタイも深く調べるのはやめた。
配線材料
ヒーターと電源をつなぐ配線材料を少々。
工作
購入したヒーターの長さは巻いてある状態では数センチだが、結構伸ばせそう。
実際、700mm近いパイプにあわせて伸ばすことができた。
・・調子よく伸ばしていると700mmを越えていた。
伸ばしすぎた部分は爪楊枝を芯にして少し巻きを戻しておいた。
交流100V用の電熱器の補修用ヒーターらしいので、交流100Vをかけるとおそらく真っ赤になるのだろう。
今回の用途では熱くなりすぎると思われるので、整流用ダイオードを入れて半波整流することにした。
・・難しい言葉?かもしれないが、単純に台座の板にネジを2本立て、その間にダイオードをつないだだけ。
要は、50Hz/60Hzの交流が流れ込んだ時、+、あるいは-のいずれか片側の電圧がかかったときだけヒーターに電圧がかかるようになる。
100Wのニクロム線だが、実質50Wというところか。
一応交流100Vを直接印加させるので、万が一ショートしても家のブレーカーが落ちないようにカバーなどつけようかとも思っているが・・
ステンパイプがずれなければ危険性も減るということで、ブラケットにネジをつけてステンパイプが左右に移動しないようにしておいた。
まぁ、配線の間隔は700mm離れており、双方の配線とステンパイプに何らかの導体が乗ったときはショートするが・・
それ以前に導体以外の紙でも布でもこのステンパイプ上に落ちたら・・燃える・・
仕事として常時使うものではなく、十分注意した環境の中での短時間の使用だからあまり考えすぎて大掛かりにするのも面倒だし。
結局カバーはつけないで・・いつものように計画倒れに終わる可能性大。
出来上がり。
材料費は2,000円未満。
いざ、試験。
一応、テスターでみた限りではショートはしてなさそうだが、AC100Vのコンセントから電源をとるのでステンパイプとヒーターがショートしててブレーカーが落ちたら困る。
普通なら、ヒューズを入れるのか?
アタイの場合、ショートしても一番被害が少なそうなキッチンのコンセントを使ってみた。(^^;
20~30秒ほどで結構熱くなってきた。
先人たちのHPではちゃんと温度計などを使って調べている人もいるが、アタイは温度計もっていない。
天ぷら鍋用の油の鍋に突っ込むアナログ式の温度計があったが、これをステンパイプにくっつけても温度は測れそうもない。(^^;
かといって、温度計買うと市販のヒーター買うより高くなるかも。
ついでに言えば、ホームセンターで売っているヒーターの隣には電圧を調整する2,500円の調圧機が並べられていた。
つまり、市販のヒーター買っても温度調整には調圧機があったほうがいいらしい。
実際にはアクリルの状態を見ながら、頃合をみて「よ~し、今だ・・」といって曲げるみたいだけど。
ひとまず、パイプが熱くなるのを確認したので満足。
実際にアクリルを曲げるのは今度にしよう・・・
なんのために作ったんじゃ!?
後日・・実際に使ってみた。
別の用途で使っていた調圧機があったので、一応かませてみた。
曲げたのは3mmのアクリル板、1mmのエンビ板。
まずは、メインの目的であるアクリル板から。
電源を入れて20~30秒ほどでパイプは熱くなったのでアクリル板を当ててしばらく様子を見るが、曲がりそうな気配はない。
ただ、エンビ板の方を試してみると簡単に曲げられる。
何度か試してみたところ、 電源を入れてから2~3分たたないとアクリル板を曲げるほどの温度にはならないようだ。
さらに時間が経過し、数分ほどすれば問題なくサクサク曲げることができるのが分かった。
多少熱量が不足しているのかもしれないが、数分待てば使えるので問題ないでしょう。
また、アクリル板の曲げ方にしても、曲げたい部分をずっとパイプの上に置いておくより、2~3cmくらいの幅で動かしながら熱を伝えた方が良いみたい。
まぁ、ある程度の慣れが必要というところか。
結局、このパイプの長さ、ヒーターのワット数、半波整流という条件では調圧機は必要なかった。
ちょっとした曲げに使ってみた。