CB750・・というか、昭和40年代のバイクはフロントフォークはゴムのブーツを履いているのが多い気がする。好きなのだが、このゴムのブーツ、掃除がしにくい。それとオイル漏れの発見が遅れる。・・このバイクもかなり前から漏れていたようだ。
GT125 フロントブレーキ掃除【GT125-2型】(3号機)
GT125が誕生した頃(1974年)は125ccの小排気量バイクにもディスクブレーキが装備されはじめた頃で、CB125JXのように機械式のディスクブレーキも存在していた。
GT125のフロントブレーキは油圧ディスクである。
我が家の3台目のGT125、そのうちレストアしたいと思っているが、解体時にはブレーキフルードも抜かず、そのままの状態で箱詰めしていた。が、やっと掃除をする気になった。
オイルリザーバのキャップを開けてみると、底にはオイルリザーバをマスタシリンダに固定するためのネジが2本見える。これは結構錆がでている。
それにブレーキフルードは当然ながら経年劣化で変色してトロ~と粘度も増している。
ひとまずマスタシリンダ、ブレーキホース、キャリパーを簡単に分解できるところまで分解してパーツクリーナと水で洗浄。
ブレーキホース内の洗浄
軽く汚れとブレーキフルードを洗い流した後、一旦マスタシリンダとブレーキホースを組み立てて今度はブレーキホース内の洗浄である。
ブレーキレバーを何十回か握るとブレーキホースから茶色の絵の具を溶かしたようなブレーキフルードがでてきた。
おそらく新車時から一度も交換されていない?30年前のブレーキフルード・・
さらにキャリパー内を洗浄するため、キャリパーをつないでマスタシリンダ-ブレーキホースがすべてつながった状態での洗浄を始める。
が、ここからが大変であった。
マスタシリンダ上のオイルリザーバに水を満たしてブレーキレバーの操作を繰り返してエア抜きの要領でキャリパー内を洗おうと思ったのだが、10分、20分やってもオイルリザーバから水がライン上に流れ込む様子がない。
キャリパーについているブリーダからはわずかではあるが水が流れ出る気配はあるのだが。
ブレーキフルードのように粘度がないとだめなのかと思ってブレーキフルードをオイルリザーバに満たして試してもダメ。
マスタシリンダ側のバンジョーボルトのエア抜きをやってもダメ。
ブレーキレバーを十数回握ると空気が圧縮された感じは伝わるのだが。
ここで、バケツに水を満たしてその中にブリーダを外したキャリパーを沈めてみると、レバー操作に連動してブリーダ用の穴から汚れた水がでてくるのが判った。どうやら、ブレーキレバーを握る操作で空気はちゃんと入るようだ。
ならばと、マスタシリンダからピストンカップを外してみる。
マスタシリンダはゴムのキャップが傷んでいて砂が入り込んでおり、腐食もみられた。
肝心のピストンのラバーはそれほど硬化もしておらず破損もしていない。
バンジョーボルト側の穴を指先で押さえながら何度かブレーキ操作をすると、お~、オイルリザーバの水は綺麗に流れ出して行った。
再度全体を組み立てて今度こそライン・キャリパー内の掃除じゃ~。
が、...結局、前と同じでオイルリザーバからはライン内に水が流れ込まない。
会社での仕事中では見られないほど、根気よく半日もいろいろとやってみたのだが事態は進展せず。
どうやらピストンカップのラバーが劣化していて水をキャリパー側に送り出すのは問題はないのだが、キャリパー側に送り込んで不足した量の水をオイルリザーバから吸入しようとしても、その水がラバーの隙間を越えてキャリパー側に流れていけないのだろう。
マスタシリンダのバンジョーボルト側の穴を指先で押さえた時は、ピストンカップから穴までの距離が短いことから空気抜きはしなくとも入っている空気が少量のため吸入力がかかるが、キャリパーまでつないだ場合はライン内に空気が入っていれば、その空気が収縮するだけでホース内に水を吸い込むほどの吸入力が出せないのだろう。
(と、いうことにしておこう。)
ピストンカップは純正品が手に入ることが判ったため、購入することにした。
次はキャリパーのピストン
キャリパー内の洗浄はブレーキラインをつないでブレーキレバーを操作すれば出てくるだろうと思っていたが、圧力がかからないのではどうしようもない。
模型の塗装用のコンプレッサーがあるのだが、さほど圧力は期待できない。
自転車の空気入れで試してみることにしたが、空気入れの先端の形状からみてブレーキホースがつながるバンジョーボルトの穴に密着させることは困難なようだ。
しかしながら空気抜きを行うブリーダの先端は正に自転車の空気バルブのようで、ここにつないで手で押さえると何とか漏れも少なくて済みそうだ。
ブリーダとホースをつないで手で押さえるということは、空気入れが踏めない。
動力源としておかーちゃんの足を借りることにした。
空気入れと燃料ホースでエアを送る。
しばらく空気入れを踏む続けるとピストンが数ミリ出てきた。
固着はしていないようなので見込みはある。
この後も悪戦苦闘を続けたがこれ以上ピストンが出てくる気配はない。
やはり錆び付いているのかなぁ?
ただ、ブリーダはエアを抜くためのもので大量のエアを送り込むのは無理な話なのかも知れない。
いや、無理なんだろう (^^ゞ
となるとやはり入り口であるブレーキホースをつなぐバンジョーボルト側の穴から..
ゴソゴソと物置を探すと先日CB750のキャブレターのオーバホール時に使った燃料ホースの切れ端が見つかった。
空気入れ側にも何とか収まるし、バンジョーボルトの穴にも何とか収まる。
空気入れ~燃料ホース~キャリパーをつないでエアが漏れないよう手でしっかりと押さえる。
で、空気入れの動力源として再び、おかーちゃんを用意。
様子を見ながら数回空気入れを踏み込んでみるとピストンが動き出した。
ピストンが飛び出してきても安全なように新聞紙の上にピストンを下に向けたキャリパーを置きポロ布で押さえ込み作業開始である。
何度か空気入れを踏むと燃料ホースが膨張するのがわかる。
と、そのときパン!というものすごく大きな音と共に汚れたブレーキフルードが少し飛び散った。
ボロ布で押さえていなかったらさぞ悲惨な目に遭っていただろう。
見事ピストンの取り出し完了。
相当洗浄したつもりだったが、茶色く変色したフルードが大量に残っていた。
あとはパーツクリーナーで洗浄。
ピストンは点サビがいくつかあるが、綺麗な状態だった。再利用には問題はなさそうである。
問題の劣化したと思われるピストンカップは純正品を購入。
2号機、3号機用に2個のピストンカップを買った。
買った新品のピストンカップをジーっと眺めていたら・・
あら!?スナップリングが1個ついているのだが、大きさが違ってる..いいのか?
【GT125 修理&レストア準備】
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