蒸気機関車が動く仕組みをCGの図などによってその構造などを交えて整理しています。ここは、その2「逆転機構」です。
蒸気機関車の仕組み(構造) – 5 – クロスヘッド、連結棒と動輪

ピストン棒の一端にはクロスヘッドが取り付けられています。
(写真上) クロスヘッドは、ピストンの往復運動を主連棒を介して動輪の回転運動に変えるためのものです。
主連棒は、動輪の中心からずれた場所に取り付けられているクランクピンを介して動輪を回転させます。
すべり棒は、クロスヘッドが前後に移動するときのガイドとなる役割をします。
(写真上) ピストンが前後に移動するときのクロスヘッド、主連棒と動輪の回転する角度は上図のようになります。
(写真上) 主連棒が取り付けられる動輪は俗に主動輪とも呼び、この動輪がレールに粘着する力を利用して機関車を動かしていきます。
このとき、牽引力を増すために他の複数の動輪にも回転する力を与えています。
これが、連結棒です。
連結棒は動輪全てを繋ぐ一本の棒ではなく、それぞれの動輪間を繋ぐ複数の部品でできています。
動輪の数が3組あるC形の機関車では2本、動輪の数が4組あるD形の機関車では3本の連結棒があります。
(写真上) 上図は動輪間を連結棒でつないだ状態です。
主動輪と連結棒で連結された車輪は連結動輪です。
これら、主動輪と連結動輪を合わせて一般的に動輪と呼んでいます。
(写真上) 主連棒は連結棒の外側に取り付けられます。
(写真上) 動輪の中心からずれた位置にあるクランクピンに重量のある主連棒、連結棒をとりつけた状態で動輪が回転すると、当然ながらブレが生じます。
このため、クランクピンの反対側にはその重量に応じたウエイトをつけておくことが必要です、
そのウエイトがバランスウエイトと呼ばれるものです。
自動車のホイールはタイヤを組み付けた際に回転時にブレがでないようにホイールにおもりをつけてバランスをとりますが、蒸気機関車の場合、おもり分を換算したバランスウエイトを輪心の一部として鋳込んでいます。
主動輪は連結棒の他に主連棒、返りクランクなど他の連結動輪にない部品が取り付けられますので連結動輪に比べてバランスウエイトも大きくなっています。
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・・「蒸気機関車の仕組み(構造) – 6 返りクランク」
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